御来光の後、我々が目指す頂上が顔を出す。
あともう少しだけど、本当に人・人・人。
おまえらグレイシー一族かっちゅー位
人が繋がっている。
本当ならあと1時間も掛からない距離なんだろうと思うけど
実際にはここから3時間!!も掛かった。
御来光を浴び体が浄化されるかの如く
今までの数々の悪行が走馬灯のように
駆け巡る。そしてその度に涙があふれ出てくる。
(そんなに悪いことしてないけどね。)
近くに居た親子で登山をしている人を見て
小学生がゼェゼェつらそうに登っているの見て
自分の子供を思い出し、また涙、涙。
子供にこんな辛いところ連れて来ちゃダメだよ!と
親を叱りたくなったけどそんな気力もない。
この子供トラウマにならないと良いけど。
頂上に着いた時には仲間も探す余裕さえなく
空いている地面に倒れ込む。
徹夜で登頂した人は殆ど倒れ込むようにして
寝こんだのだと思う。
僕の見た感じ半分くらいの人は寝ていた。
もうとにかく寝たい!
砂利の上で一瞬で寝た。
普通だったら痛いんだろうけど
そんなことどうでも良い。
30分経ち起きたけど中々起き上がれない
仲間にも見つけてもらえず
携帯も繋がらない。
もしかして俺を置いてみんな下山しちゃったかもなと思い
最後の気力体力を振り絞り身支度をする。
噴火口付近に行くと
友人3人も死んだように眠っているのを見つける。
この付近は8割がた死んだように眠っている人だ。
噴火口から有毒ガスが出て死んでいるんじゃないかと間違うほど
食欲もないが下山のため
少しでも腹に詰め込んでおく。
ディスカバリーチャンネル「エベレスト、極限への挑戦」
ラッセル・ブライス曰く、頂上は折り返し地点。
けど折り返し地点にしては
もう体力の限界。
噴火口近くまで行く体力もなく
だいぶ手前でポージング。これが精一杯。
頂上のトイレは激混み。
一体何時間待つのだろう。
写真と記念品を数点買い
頂上を後にする。